畳について
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畳の構造
畳は、表面に見えている部分「畳表(たたみおもて)」と、その下の土台となる部分
「畳床(たたみどこ)」、そして、縁の部分の「畳縁(たたみべり)」でできています。
畳表
畳表には、日本や中国で栽培された「い草」が主に使われますが、最近では、化学製品や パルプを使用したものもあります。 畳表はい草を緯糸、綿糸や麻糸を経糸に使用して織られます。畳表の善し悪しは、 「い草」と「経糸」、そしてその「織り方」で決まります。
畳床
畳床は、ワラだけを使用した「ワラ床」、フォームポリエスチレンやインシュレーションボードをワラに挟み込んだ「ワラサンド床」、ワラを使用しない「建材畳床」があります。ワラ床は現在は現在は減少傾向にありますが、弾力性や耐久性に優れています。ワラサンド床や建材畳床で使用されるフォームポリエスチレンは、断熱性や保温性に優れ、湿気にも強く軽量です。インシュレーションボードは冷暖房の効果があります。それぞれにメリットのある畳床ですが、現在はワラを全く使用しない「建材畳床」が主に使用されるようになてきました。管理がしやすく、また、ダニやカビの発生も少ない、そして加工もしやすいなど、現在の多様化した建築に柔軟に対応できるためです。
畳縁
畳縁は、最近では化学繊維で作られることが多くなりましたが、綿や麻、あるいは絹といった、長く使われてきた素材も使用されています。伝統的に使用されてきたデザインや、最近のインテリアに合わせたカラフルなものまで、様々なデザインの物が選べるようになってきました。また、琉球畳など、畳縁のない畳もあります。
畳のサイズ
一般的に一帖サイズは三六間(3尺×6尺 910mm×1,820mm)が基本になっていますが、地方によってサイズが異なるため、明確な規格は存在しないと言っていいかもしれません。主な規格サイズは以下の表のようになっていますが、実際には畳は部屋の寸法を計って、それに合わせて作られることがほとんどです。厚さは通常55mmとなっています。
名称 | サイズ(幅×長さ) | 主に使用される地方等 |
---|---|---|
本間間(京間) | 955mm×1,910mm | 関西・中国・四国・九州等 |
三六間(中京間) | 910mm×1,820mm | 愛知・岐阜・三重県・沖縄等 |
五八間(関東間) | 88.0mm×1,760mm | 関東、東北、北海道等 |
団地間 | 85.0mm×1,700mm | 公団住宅、アパート、マンション等 |
畳表について
常に肌と接する部分になる畳表。用途によって様々な織り方があり、使用するい草の質や量などによって品質も様々です。
い草について
畳に使用されるい草は、日本では熊本、福岡、高知、岡山などで栽培されています。 海外では主に中国、台湾、タイで生産され、日本の畳の約3割が輸入品となっています。
1枚の畳に使用されるい草は約4,000本で、高級なものには7,000本以上の、い草が使用されています。
い草の質の善し悪しは、長さや色、太さなどによって判断され、高級な畳表ほど長く太さの揃ったい草が使用されます。
畳表の織り方
普通目織りい草
一番一般的な畳表の織り方で、ひとつの目の中に経糸(たていと)が2本入っています。経糸の間隔は均一になっています。
諸目(もろめ)織り
普通目織りよりも目が細かく織られたもの。主に上敷用の畳表に使用されます。
目積(めせき)織り
ひとつの目の中に経糸を1本だけ入れた織り方で、目は交互になり配ができない。
琉球畳や座布団、ござなどに見られる織り方です。
大目織り
経糸の間隔が広い、主に龍髭(りゅうびん)畳表に使われる織り方です。
龍髭畳表は茶室や床の間に使われています
掛川織り
大小の折り目を交互に繰り返す織り方で、福岡県産の花ござに使われています。
経糸について
畳表に使われる経糸の多くは、綿糸か麻糸が使用されています。綿糸は強度が弱いため、織込めるい草の量が少なく、低~中級品に用いられます。 麻糸は伸びも少なく強度が高いため、い草を多く織り込めるため、高級品に用いられます。また、麻糸を2本用いてさらに強度を増したり、綿糸を2本、あるいは麻と綿を混ぜて使用した畳表もあります。麻糸にはいくつかの種類があり、中でも太く腰の強いマニラ麻が最上級品の畳表に使用されています。経糸には麻・綿の他に、ポリプロピレン等の化学製品の糸も使用されます。
少なく、薄い畳表になります。
密度の高い 厚みのある畳表になります。
畳縁について
畳縁は綿、麻、絹などの天然素材や化学繊維で作られています。様々なデザインのものがあります。
畳縁のデザイン
畳縁の素材には、絹・麻・綿・化学繊維などが使用されます。
現在では化学繊維が使用されることが多くなっていきています。
畳縁のデザインには色々なものがあります。
錦織をデザインした「繧繝縁(うんげんべり)」は、神社の厚畳などに使用されます。 地紋を織込んだ「高麗縁」は、寺院や床の間に使用されます。 「光輝縁」は、綿糸に光沢を施したもの(綿縁)や化学繊維を 使用しており、耐久性に優れ、様々な場所で使用されます。 麻素材の「高宮縁」は、茶室用として使用されています。
かつては、畳縁のデザインは身分によってその使用が定められていましたが、現在では寺社などでその名残りを目にする程度です。最近では、インテリア性を重視したカラフルな畳縁や、抗菌処理を施したものなども登場しています。
畳と健康
日本の文化に根付いた畳の生活。
畳には健康に関する優れた機能がたくさん備わっています。
夏涼しくて、冬暖かい。 畳は四季のある日本にぴったりです。
畳に使用されるい草や稲藁(わら)には、湿気を吸収・排出する機能があり、特に夏、高温多湿の気候でも、快適な住空間を維持してくれます。
また、断熱性も高く、冬は暖かく過ごすことができます。
最近では、稲藁の変わりにフォームポリエチレンやインシュレーションボードなどを使用した畳床の畳が多くありますが、こちらも湿気に強く、断熱性にも優れています。
四季のある日本で、一年を通して過ごしやすい環境をもたらしてくれる畳は、健康的な生活に一役買ってくれています。
畳には空気を浄化する作用があります。
畳表に使用されるい草は、二酸化炭素(CO2)を収着し、一酸化炭素に還元、室内の空気を浄化してくれます。
い草のアロマテラピー効果。
畳の香り=い草の香りには、アロマテラピー効果があることが知られています。
畳の部屋で過ごすことで、心が落ち着き、精神的にも健康になることができます。
適度な弾力性が人にやさしい。
畳には適度な弾力性があって、畳の上を歩くとなんとなく心地よく感じます。
衝撃も緩和してくれますから、子供やお年寄りも安全に暮らすことができます。
また、弾力性と共に、吸音性も備えており、優れた遮音効果があります。
畳は燃えにくく、環境にもやさしい。
ワラ畳床は、非常に高い圧力で圧縮されているため、燃えにくくなっています。
また、燃えてしまった場合でも、有毒ガスを発生することはありません
畳のお手入れの仕方
畳のお手入れの仕方 自然素材を使用した畳は、シックハウス症候群の原因となる化学物質などを発することもなく、人にやさしい建材です。しかし、自然資材であるため、お手入れも必要です。ここでは畳のお手入れの仕方をご紹介します。
ふき掃除
ふき掃除は、よく晴れた日に風通しのいい部屋で するのが理想です。
畳が水分を吸ってしまわない ようにサッと手早く拭きましょう。
新しい畳は乾拭きしましょう。水分があると変色してしまうことがあります。
日干し
畳は小さなほこりを吸い取るので、1年に2回ぐらいは日干ししましょう。
日干しは裏返して、5時間ぐらいします。日干ししている間に叩いて溜まったほこりを落としましょう。
汚れを落とす
住居用の洗剤を水2リットルに対してキャップ一杯程度の割合で薄めて、ぞうきんをしぼって畳を拭くと、汚れが綺麗に落とせます。
洗剤の水溶液で拭いた後は、乾拭きしてください。
風通しを良くする
畳の上に家具等を置いていて凹んでしまった部分。濡れタオル等を1時間程度被せておくと、凹みがある程度直ります。仕上げにサッと乾拭きします。
凹みを修正
畳の上に家具等を置いていて凹んでしまった部分。濡れタオル等を1時間程度被せておくと、凹みがある程度直ります。仕上げにサッと乾拭きします。
裏返し
畳の裏返しは、2~3年に1回行うのが普通です。裏返すだけで簡単に綺麗になります。4年以上たってくると、次は畳の表替えを行います。表替えをすれば畳はさらに綺麗に快適になります。